独立中小企業診断士・コンサル会社の営業活動のコツを紹介 ~その3 メルマガ編~
メールマガジンは、今のSNS全盛の時代からすると少し時代遅れに感じるかもしれません。それでも、利用できるのであれば充分効果を生んでくれる仕組みの一つでしょう。
定期的にお客様にリーチする手段は設けていますか?
顧客にとって有益な情報を発信できていますか?
本記事では、メールマガジンの活用について紹介します。
- 診断士・コンサルとしてのメルマガの活用メリットが分かる
- メルマガシステムの選定基準を紹介する
- 当社のメルマガに登録したくなる
(してね?)
メールマガジンは中小企業診断士・コンサルなら今でも活用するべきWebプロモーションの一つ
メールマガジンによるオンラインプロモーションの現状
メールマガジンは、ひと昔前に比べて大分廃れてきたオンラインWebプロモーション活動ではあります。理由をいくつか挙げてみると、
- Gmailの「プロモーション」タブなど、フィルタされて閲覧されにくい機能が標準化してきた
- 顧客への定期的なリーチはSNSが代替
- push型のプロモーションはLine@などが代替
こんなところでしょう。なかなか、メルマガの立場は厳しいものがあります。
特にその立場を危うくしたのは、Gmailで勝手に「プロモーション」にフィルタされてしまう点でしょう。
これにより、BtoCサービス系のメルマガは、その大半がフィルタされるようになりました。私もそうですが、「プロモーション」タブって殆ど確認しないですよね…。
そうすると、メルマガに代替するサービスの方が良いんじゃない?となってしまうことになります。
メルマガ代替サービスについて
現状、最大のライバルはLine@でしょう。
Lineの利用率は非常に高く、老若男女問わず生活の一部になっていて、プッシュ配信でメルマガよりも配信に気づきやすい。
クーポン配信機能もあり、小規模であればある程度無料で使うこともできます。
認知度の高さから、「Line@」と表記していますが、LINE公式アカウントにそのサービス名称は移行しています。
特に店舗を持つ飲食店や小売り店、サービス業などは、メルマガよりLine公式アカウントの方が適性があるでしょう。
じゃあ、その現状で何故コンサル会社でメルマガを発行することを決めたのか?
ですが、中小企業診断士・コンサルタントとなると、どうでしょうね…。
Line@がコンサルに向いているかは、難しいところです。
Line@に適正があるコンサルは、自分自身をブランディングする講演家やイメージ先行型のビジネスモデルでしょうか。
自分は、圧倒的に逆のタイプなので、Line@には向いていないでしょう。
(弊社の代表の高橋ならいけるかも…)
ということで、定期的に顧客候補へリーチする手段として弊社ではメルマガの活用を選択しました。また、もう一つのメルマガの強みポイントとして、ステップメール機能があります。
ステップメールは、事前に準備された段階的なメールを定期的に発信する機能です。対象者に登録することで、放置しても段階的なメールを発信してくれます。
特に、セミナー参加者や新たにコネクションができた方に対し、忘れられないように定期的なリーチ手段として優れた機能です。
このステップメールを使いたいというニーズが当社では強くあったのも、メルマガを採用した一因です。
コンサルタント会社がコンサル・中小企業診断士のノウハウを伝えるメールマガジンを発行してみる
弊社FYSコンサルティングでメルマガの配信を開始してから、もうすぐ1年が経過しようとしています。
毎週1回火曜日18時に配信することをルールとして、(時々設定し忘れて水曜に配信しましたが)順調に継続できています。
そんな、弊社の状況とともにメルマガについて解説してみましょう。
メルマガシステムの選定基準は?
メルマガシステムの選定基準は、以下の基準で実施しました。
コストが抑えられること
サブスクリプション型の契約になるので、月額料金は抑えたいですね。
送付見込み顧客数を想定して、システムを選定します。
特にコンサルタントや中小企業診断士は、登録したい方々が爆発的に増加するケースは多くないでしょう。
名刺交換では登録しない、というルールならば、1年目は数百人程度ですね。
これらの傾向を見越して、料金体系を比較検討するのが良いでしょう。
メルマガでHTMLメールが送信できること
今現在でも、テキストメールでメルマガを送付している方は多いです。
中小企業診断士や個人事業主のコンサルは、ほとんどがテキストメールですね。
これは、差別化要素として必ずHTMLメールで送付したいと考えていたので、必須ポイントでした。
テキストメール | HTMLメール |
文章さえ考えれば良い | HTMLでデザインした上で、デザインの幅を超えないような構成の調整が必要 |
ガラケーでも受信できる | キャリアメールアドレスで受信すると表示されない |
会社で用いているメーラーでも確実に表示される | メーラー次第では、画像が表示されないなどの表示崩れが起こる可能性がある |
開封チェックできない | 開封チェックできる |
など、いくつかHTMLメールでのデメリットは存在しますが、それを超える「読みやすさ」「画像による情報量」というメリットがあります。
メールマガジンは、チラシと一緒でツカミが重要です。
ざっと流し見て、読んでみようと思わせる仕掛けが必要です。
その意味でも、HTMLメールでの送信が推奨されます。
ステップメール機能があること
ステップメールは、特定の購読者に対し、事前に準備したメールを指定の間隔で送付できる機能です。
これにより、定期的な顧客候補へのアプローチが可能となります。
当社の用途としては、セミナー参加者に対するメール送信に利用することを実験中です。設計の事例は、以下のようになっています。
お礼メールを送信
実践できているか、の確認やコツを紹介
状況の確認や御用聞きの相談会の案内
これにより、顧客候補の育成ができ、関係性の構築につながって売上の獲得を目指すことができる、という寸法です。
ただ、実際にはそうそう簡単に顧客育成!とはいきません。
定期的に発信する通常のメルマガと併用するのが望ましいというのが、弊社の結論です。
選定したメルマガシステムは以下の通り!
AutoBiz
最終的に採用したメルマガシステムです。
ステップメールに特化したシステムであり、なおかつコスパが良かったため、こちらを採用することで決めました。
オレンジメール
比較検討の一番手になっていた、オレンジメール。
コスパが非常によく、無料期間6か月というのは魅力的でした。
ですが、最終的にはオートビズを選択…悩みましたが。
WillCloud
詳しい料金体系は問い合わせが必要な本システム。
内容が変更されている可能性があるため、本記事では詳細は取り上げませんが、機能が豊富な点が魅力的でした。評判も悪く無さそう。
ただ、ちょっと他に比べて高かったこともあり、今回は見送り。
メルマガシステムとしてAutoBizを1年弱使ってみて、感想はどうだったか?
メリット/デメリットは、使ってみないと分からないことが多いです。
実際に利用してみた感想を公開します。
・システムトラブルは生じていない
・ステップメールは作りやすい
・HTMLエディタ機能が貧弱。自分でHTMLコードを書かないと見栄えの良いものは作れない。
・若干、数分の遅延が生じる傾向がある(大した問題では無いですが)
・登録ページを作るのが少し分かりにくい
まあ、HTMLコードを作る必要がある点は、逆に自分でいくらでもカスタマイズできるというメリットに捉えることもできますが。
メルマガ送付リスト作り
メルマガを送付するには、当然送付先のメアドリストが必要になってきます。
当たり前ですね。はい。当たり前のことが難しいんです。
苦労します。なかなか、自然発生的な増加はしていきません。微増ですね。
勝手にメルマガ購読者に登録していいのか問題
これがあります。
名刺交換して、突然メールマガジンが送られてくるようになる。
受け取る側としては、余り気持ちのいいものではありませんね。
ですが、一方で、メルマガを配信する側としてはこの戦略はありなのかもしれない、と考えるようになりました。
つまり、必要だと感じてくれれば解除せず購読してくれるし、良い情報を得る機会を提供しているのだというスーパーポジティブな解釈ですね。
ただ、受け取った時の不快感もわかりますし、戦略としては難しい部分でしょう。そのため、購読者を増やすための施策としては以下をお勧めします。
メールマガジンの購読者を増やすためにお勧めの取り組みとは?
ある一定数の母数を作るまでは、リアルの関係性から当たる
リアルの知り合いからメルマガ登録してよーと言われれば、まあ、登録するでしょう。解除もしにくいですね。
読んでくれるかは不明ですが、最初のベースとなる母数を作るための第一歩として踏むべきアクションです。
普段からSNSを利用してアカウントの熱量が高い方であれば、SNSに対してメルマガ開始案内を投稿するだけでも、ある程度の購読者を獲得できるでしょう。
当社も、購読者の自然発生のメインはSNSによる投稿宣伝になっています。
セミナー参加者や既存顧客、その紹介など、既にビジネス関係の土壌がある対象を登録する
これらの方々は、ひと言挨拶をしておけばこちらからメルマガ購読者に追加してしまうのもありでしょう。
その際のポイントとしては、メルマガを購読することで得られるメリットをしっかりお伝えすることが重要です。
読者に対しどんなメリットを提供するか、の設計が重要です。
特に、配信する情報に加えて+αの金銭的メリットを設計するのがいいでしょう。例えば、当社では以下のものがあります。
・メルマガ購読者限定 セミナー等の割引クーポンの配信
・補助金、助成金情報の配信
・メルマガ購読者限定 無料相談
営業活動を前提とする名刺交換会や異業種交流会で会った人は、メルマガ購読者に勝手に追加する
のはアリだと思います。
営業を前提とする名刺交換会や異業種交流会は、お互いにビジネスチャンスを探っている関係ですね。
メルマガを受け取ることで先方も自社を営業目線で再度調査するでしょうし、お互い様と言える関係だと感じています。
で、メールマガジンを用いた営業活動の結果は?
配信を開始した際に、記事を作成していました。
約1年間、配信を継続しています。
現在までは、自社での購読者登録は余り実施していませんので、ほとんどが自然発生に頼っている状況で、現在の購読者数は約200名です。
まだまだ、物足りないですね…
ですが、成果としてはいくつか目に見えることがありました。
読んでるよ、と言われる
弊社の代表が、よく読んでるよ、と言われて、話のネタになるようです。
これだけでも、実施している価値はあるかと思います。
主催セミナーの案内に対し、購読者からの申し込みがあった
これは、直接的な効果として分かりやすく、ありがたいですね。
この効果が継続するようであれば、実施している価値をより実感できるようになると思います。
弊社のメルマガを読みたくなったら?
弊社FYSコンサルティングのコーポレートサイトで、過去のメールマガジンのバックナンバーを公開しています。
是非、見てみてくださいね。
メルマガ配信の今後の課題は?
- ステップメールが充分に使い倒せていない
- 購読者数が物足りない
- PDCAを回し切れていない
あげればいくらでも出てきます。
成果も十分出てるとは言い難いですし。
ですが、これも『自分でやってみる』ことの一つです。
やることが大事だと割り切って、継続していきましょう。