メカレジ、POSレジ、タブレットレジ…どう選べば良い? ~軽減税率その4~

2018年11月25日軽減税率FYSコンサルティング,POSレジ,セミナー,タブレットPOSレジ,卸売業,小売業,設備投資,飲食業

軽減税率の対策・準備を紹介するシリーズ記事第4回。今回のテーマは、レジの選び方についてです。

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軽減税率対策の準備として、まずは各レジのタイプの特性を理解しよう

レジのタイプを大別すると、

  1. メカレジ(ガチャレジ・電子レジスター)
  2. POSレジ(POSシステム)
  3. タブレットPOS

の3タイプに区分することができます。

POSレジの進化は早く、AIレジや全自動無人レジ等も登場しています。
ですが、中小のお店では最新機器の導入は難しいので、記事では割愛します。

軽減税率対策補助金との関連

軽減税率対策補助金は、いずれのレジも補助の対象となり得ます。
レジの導入・改修はA型が該当します(B型は受発注のシステムが対象)。

2019年の1月からC型(請求書管理システム等の改修)も登場しましたが、周囲では殆ど考慮されていないですね。

軽減税率対策補助金の申請を考える企業の9割超がレジの入替のために申請するのではないかと感じるほどです。

タイプ補助対象補助の概要
A-1型メカレジ
(ガチャレジ・電子レジスター)
POS機能のないレジの導入費用
A-2型レジ改修複数税率非対応のレジの、対応レジへの改修費用
A-3型タブレットレジレジ機能を、タブレット等を用い、付属機器を組み合わせて導入する費用
A-4型POSレジPOSレジシステムを改修または導入する費用
A-5型券売機券売機を改修または導入する費用
A-6型商品マスタデータ商品マスタデータの設定費用

ここでは、補助率や補助額については省略します。
詳しくは軽減税率対策補助金の事務局のページを閲覧してください。

メカレジ、POSレジ、タブレットPOSレジの3タイプを比較してみる

せっかく何十万も設備投資をするなら、制度の変更に対応するためだけに終えるのではもったいないです。

業務の効率化を狙いましょう!
IT投資としての、戦略的なレジの導入をお勧めします!

とは言え、何も知識やITスキルの無い中小企業経営者が検討するのは、中々難しいです。本記事でIT導入支援の専門家の観点から、比較検討結果を公開します。

観点メカレジ
(ガチャレジ)
POSレジ/POSシステムタブレットレジ
初期
費用

数万円~

数10万円~100万円程度

0 ~ 10数万円
継続
費用

消耗品代

数千円~数万円程度
(保守費・サービス利用料)

数百円 ~ 数千円程度
(サービス利用料)
経営の視点・現状維持、縮小・拡大志向、成長志向
・FC展開や多店舗展開
・起業直後、小規模経営
・お試し出店
・移動販売
店舗運営の
視点
・高齢者が店舗運営を実施・高回転率/接客スピード重視
・多様な決済手段を提供
・カウンターが小さい
・小回り重視
・若いスタッフを雇用
選ぶ
観点
とにかく直近のコスト削減!多少の投資を実施してでも、レジのみでなく
経営や店舗運営をトータルに効率化・改善!
まずはお試しでPOSレジに挑戦!
初めて開業するなら運用しやすい

繰り返しになりますが、今からレジを入れるのであれば、どのタイプでも補助金の対象とはなります

ですが、マイルドに記述していますが、私が関わった店舗の場合は、メカレジをお勧めすることはまずありません。資金的に余裕がある企業であればPOSレジ/POSシステムを、余裕が無い企業であればタブレットPOSを第一候補として提案します。

ITの専門家視点では、なぜメカレジをお勧めしないのか?POSレジシステムを採用するメリットとは

軽減税率の対策のみであれば、メカレジでも対応することは可能です。
実際、メカレジが最適と考えられる規模や状況のお店もあるでしょう。

一方で、私が関与する場合はメカレジの優先度は低いことも事実です。

POSレジやタブレットPOSレジの方が業務がラク

になることが多いです。
特に、手書きでの伝票を管理していたり、キャッシュドロワーしかないようなレジを用いている場合こそ、タブレットを検討してみましょう。

最も業務の効率化に違いが出るポイントは、一日の締め処理です。
集計作業、売上管理、伝票の管理などを、システム化することが可能です。

この部分は、大きなメリットになるでしょう。

一番のポイントは、販売業務時に生じる情報「データ管理」の視点

POSタイプのレジは、インターネットにつながることで自動的に販売に関するデータがオンラインストレージに蓄積されます(POSの由来でもありますね)。

一方、メカレジは、最新のものでもいくらかの期間を保持できますが、原則はレジにデータが蓄積されます。

この、「オンラインで蓄積」というのが、結構大事なのです。

オンラインでPOSデータが蓄積されると、何が良い?

オンラインで蓄積されることで、メカレジと大きく異なる点は次の通りです。

複数店舗のデータも一元管理できる

2店舗、3店舗あるチェーン店企業のデータを、一か所に蓄積でき、比較検討することが可能となります。

一元管理されることで、一か所のデータを把握していればある程度管理できるというメリットが生じます。

数値として、客観的なデータを自動で蓄積できる

専門家として、経営状況の改善のために経営者とお話する機会は多くあります。
店舗を経営している方ですと、やはり、売上の状況などを聞く必要がある訳です。

ここでの問題は、メカレジの経営者に話を聞くと、体感的データが返ってくることです。
ほんとにその感覚のデータは、正しいのですか、と。社長がお店に出ていない時間帯の状況も把握できていますか、と、疑念にかられるわけですね…結局、売上のデータをひっくり返すことになります。

クラウド管理であれば、外部専門家も閲覧・分析しやすい

クラウドストレージにデータを管理できていれば、簡易の分析はサービス側が提供しています。
また、データをエクセル等に出力する機能もあるので、深い分析は出力データをお持ち帰りして分析することが可能となります。

このデータ分析のやりやすさ、は、専門家的には作業工数の大きな分岐点になります。

ということで、POSレジシステムの採用がお勧めです。

経営していく中で、外部の専門家などの活用も検討していく場合には、POSレジかどうか、という点は大きな違いになってきます。

私が登壇している「軽減税率・POSレジ活用」をテーマにしたセミナーにおいても、上記の内容を詳しく説明しています。

私は税理士ではありませんので、消費税関係はそこまで詳しくはありません。
税制に関する細かい説明はできないのですが、ITを専門とする中小企業診断士の立場からPOSレジ/システムの活用を推奨するセミナーを行っています。

メカレジ・POSレジ・タブレットPOSレジ、まとめると

POSレジの導入は、充分に投資対効果を得られるものであると考えています。

もちろん、経営者の考え方や店舗の状況次第でメカレジが最善であるケースもあります。
高齢な代表が一人でお店を経営しており、タブレットを使いこなすのは難しかったり、そもそもインターネット回線すらない、といったケースもあります。

ですが、今後も人件費の高騰やITによる省力化の必要性は高まるでしょう。

経営者の皆さまには、是非ともPOSタイプのレジの検討を、補助金が出ているタイミングでもあるので、優先的に実施して頂きたいと思います。

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