kintoneのカスタマイズでExcelライクの操作性
こんにちは、ITでバックオフィスの業務改善・効率化をサポートするITコンサルタント・中小企業診断士の高仲です。
今回は、私が取り組んでいる業務効率化の事例の一つとして、kintoneカスタマイズ事例を紹介します。
kintoneは便利だけどUIに課題を生じやすい
便利です。いくつかの企業への導入をサポートしていますが、良いサービスだよ、と言えるシステムの一つではあります。
ただし、実際に中小企業への導入を実施しようとすると、課題も多いです。
価格面、操作性、不思議なアプリの量産…他にもいくつかありますが、一番の課題は、見た目が受け入れられにくいということでしょうか。
Excelに慣れた人には、テーブル形式がいまいち
操作しやすい、と言ってもらえるケースは少ないです。
なぜそうなるのか。いくつかの反応から考える自分の結論は、CSVのようなテーブル形式で運用されているExcelは殆どないという部分に起因すると考えています。
Excelファイルを俯瞰してみるとき、多くのファイルは、行と列の2次元マトリックスになっていたり、セルの結合が駆使された『図』(表ではなく)になっていたりします。
一方、kintoneはCSVを前提とするデータ形式で、1レコードを1行で表現するリスト表示がデフォルトで設定されています。もちろん集計・グラフ機能はありますが、俯瞰的にみられる図表は存在しません。
この辺りが、データベースの感覚に慣れない一般的な従業員の方々にウケが悪い要因になっていると感じています。
ということで、Excelライクな操作性を実現する
やりましょう。やれるんです。
ただし、やれるのは高いプランで契約していないとダメなんです。
JavaScriptによる機能拡張を行います。
UIのカスタマイズもできるのが、kintoneの優れた部分の一つであり、闇を生む原因となる一つでもありますね。
そこらへんの中小企業には、なかなかJavaScriptを使いこなせる方がいるケースは多くないでしょう。
そうすると、一度拡張してしまうと、以後ずっとIT企業と付き合いをしていかないといけない。
保守費用が結構嵩みます。システム利用料と合わせると、kintoneは実はそんなに安くなかったりしますね。
前置きはこの程度にしておいて、実現できる見た目は下記の図のような感じです。
本ブログは技術ブログではないので詳細は割愛しますが、JavaScriptのOSSである「handsontable」を利用することで、比較的容易に実現できます。
自分が開発したシステムでは、複数のアプリに存在するデータを集計して一覧表を出す、という形式の俯瞰表を作成しました。
これに、色の選択を簡単に表示できる「spectrum.jp」等を組み合わせることで、よりエクセルに近づけることが可能です。
ただ、セルの装飾を実現しようとすると、その情報をどこに保持させるか、という悩みが生じるのですよね。
今の時点で可能な方法は、本アプリのレコードには装飾情報を保持させ、実際のデータは別アプリから拾ってくる、という設計ぐらいでしょうか。
使い勝手が中小企業に刺さりにくいkintoneですが、やりようはありますよ、ということで。