ホームページ・通販サイトの制作費用の負担軽減!活用できる補助金を紹介
起業したてのころは、予算も限りがありホームページに掛けられる投資額は多くないと思います。ですが、開業当初からホームページをしっかり運用することは、将来に繋がる重要な仕事です。
また、数十年続く中小企業の場合、会社のホームページがリニューアルされずに古いままとなっているケースも多いでしょう。更新されないホームページは、むしろマイナスの効果です。
ホームページの予算を支援する制度はいくつかありますので、ぜひこれを機会に意味のあるホームページにすることを検討してみましょう。
この記事を読むと、こんなことが分かります。
- ホームページ制作費用を補助してくれる支援制度を知ることができる
- ホームページ制作を外部に依頼する時のポイントが分かる
ホームページや通販サイトの制作外注は結構コストがかかる
結構かかります。ホームページは、それなりに高い投資になります。
もちろん、生きたホームページは24時間365日、不眠不休の営業マンになってくれるので、それだけの投資に対するリターンを生じさせることは可能です。
無料で制作できるサービスも世に存在していますが、そこまでお勧めはしていません。
それらのサービスは、価値を生むホームページにするまで高めるのが大変だという理由です。
ホームページ制作の外注のコスト感は?
大きなコストに影響を与える分岐点としては、制作の手段があります。
外注先の制作業者によっては、特定の手段しか対応しない業者も多いので、まずはどの手段で作ることを想定するか、どういったサイトを作りたいかという意思をはっきりと決めましょう。
制作プラン | ①とにかく低コスト | ②シンプルな会社HP | ③独創的なデザイン |
ページ数 | 1~5ページ | 4~6ページ | 任意のページ |
選定システム | Jimdo / ペライチ | WordPress + 既存テーマ | WordPress + オリジナルデザイン |
コスト | 数万~10数万 | 40万前後~ | 60万前後~ |
ポイント | 既存システム内のデザインを最大限活用 | テーマで可能な範囲のデザインで妥協 | 独自デザインに拘るオリジナルサイト |
ここで記載しているコスト感は、あくまで自分の周囲で見かける体感の数値です。
当然、下記のような付加価値のある制作会社に依頼すると、上限は青天井であがっていきますので、参考程度にみてください。
・著名なデザイナーやクリエイター集団に依頼する
・独自のイラストや写真を素材から準備する、拘ったアニメーションをつける
・ブランディング・広報・PRのコンサルティングを依頼する
ホームページの制作において、かかるコストは以下の4種類になります。
コスト1. デザイン費用
Webデザイナーやイラストレーターが作業する、デザイン面の費用です。
ホームページの全体的なデザインや部分部分に埋め込む画像の制作を担当します。
コスト2. カメラマン・動画編集
プロフィール写真やPR動画をホームページ上に掲載する場合、写真や動画の撮影と編集の作業担当者が必要になります。
コスト3. プログラマー・コーダー
特にオリジナルデザインを採用する場合、デザイナーが制作したホームページデザインに基づきPHP/HTML/CSSをプログラミングする担当者です。
(HTML/CSSはデザイナーが制作する場合もあります)
ホームページの管理システムWordpressに搭載させるために必要な作業になります。
コスト4. ディレクション業務
ホームページ制作の全体管理や、依頼者とミーティングして仕様の洗い出し、方針の決定、ブランディング等、全体を見て制作業務を管理推進する担当者です。
並行して、ホームページ公開後のPR戦略なども見据えてブランドを深耕してくれる方もいたりします。
この担当者のスキルが制作プロジェクトの成否に大きく影響してくることになります。
ですが、低予算の場合デザイナーやプログラマーが兼任するケースが多いです。
これらのコストを纏めて、前述の総製作費用として見積が作られます。
ホームページ制作の外注メリットは?注意点は?
メリットがあれば、当然デメリットや注意点もあります。
・プロの制作によりデザイン面で綺麗なサイトを作ることができる
・SEO対策を意識した制作をしてもらえる
・制作期間中の自分自身の稼働は本業に集中できる
・運用やブログ投稿、メンテナンスを自分自身で実施できるスキルを学べる
・当然、制作コストがかかる
・外注の技術レベルが見えにくく、効果を生むホームページとなるかは分からない
・自分自身で管理やメンテナンスを実施できるスキルを持てない
当然ながら、一長一短です。どのシステムを利用してホームページを作るかでも、だいぶ変ってきます。私個人の意見としては、WordPressでホームページを作ってブログ投稿のスキルは制作業者に教えてもらい、自分で投稿していくことを推奨しています。
ホームページや通販サイトを制作する時に補助金が利用できる!?
ホームページの制作や通販サイト制作は、補助金の対象となり得ます
なり得ます。
大事なことなので、二回言いました。
まだまだホームページ制作で補助金が使えるということ自体、特に起業したて/起業準備中の方には知られていませんね。
起業準備中だと余りお金を掛けられないという悩みもありますが、売上のない時期こそ補助金を活用してスタートダッシュを掛けるべきという考えもできます。
特に、ホームページは効果を生むようになるまで時間がかかります。
起業したてでお金が無いからと後回しせず、なるべく早く制作し、運用していくことが推奨されます。
ホームページ制作や通販サイトの制作費用が対象となり得る補助金・助成金の紹介
こちらでは、ホームページ制作やECサイト制作が対象となり得る補助金・助成金を、過去の実績をベースに紹介していきます。
いずれも、2019年の募集実績を基準としております。
2020年以降、同様の補助金が募集されないケースや、条件変更によりホームページが経費とできない可能性があります。都度、公募要領を確認してください。
また、補助金の募集タイミングと合わずに使えない、ということも頻繁にあります。
全国で利用可能な、地域によらない支援制度
小規模事業者持続化補助金(参考:2019年の持続化補助金公募ページ)
ホームページといえば、これ!というほど、定番の補助金。ここ数年継続して募集されており、直近では恐らく2020年も募集の可能性は高いでしょう。
注意点は、法で定める「小規模事業者」の定義に該当する必要があります。
ですが、2019年では初めて厳密な法で定まる定義とは異なり、解釈の余地が生じるブレが生まれました。
具体的には、下記の記事の目次2.2 「申請可能な企業が幅広くなった」について解説をしておりますので、確認してください。
本補助金は、申請者のかなりの割合(7~8割ぐらいいってもおかしくない)が、ホームページを経費として計上する補助金です。
つまり、申請書の内容は差別化を意識して記述しないと、その他大勢の申請に埋もれてしまう可能性があります。
事業承継補助金(参考:2019年の事業承継補助金公募ページ)
国の財源で募集される補助金のうち、もう一つ定番のホームページを経費にできる補助金があります。それは、事業承継補助金です。高齢となった代表者の交代やM&Aを機に新たな事業に取り組む場合の、新規事業/旧事業の廃止にかかる経費が補助されます。
補助対象経費は幅広く、大半の経費が計上できる可能性があります。
ホームページの新設費用も、広報費として計上が可能です。
本補助金は申請までのハードルが高く、結果として比較的採択されやすい部類の補助金になっている印象があります。代表者の交代を予定している会社であれば、狙ってスケジュールを引いてみるのもアリでしょう。
IT導入補助金(参考:2019年のIT導入補助金公募ページ)
2019年のIT導入補助金は、2018年とは異なりコーポレートサイトは原則経費の対象外となりました。そのため、IT導入補助金でホームページ関連の経費を計上できるものは、以下の2種類になっておりました。
- 通販サイト(モール型/カート型)
- システム導入に応じて必須となるホームページの変更費用
通販サイトの運営を検討している方は、2020年以降も本補助金を注視しておくと良いでしょう。
時間外労働等改善助成金(厚労省の助成金)
こちらは中小企業診断士が詳しい経産省系列の補助金ではなく、社会保険労務士が詳しい厚労省系列の助成金です。ですが、私が親しくさせて頂いている社会保険労務士の一人から、本助成金がホームページ制作やWebシステム導入の補助の対象となり得ることを耳にしました。
IT導入補助金等よりも助成の条件も良く、もし利用できれば使い勝手の良い支援制度になると思われます。顧問社労士がいれば、尋ねてみるのも良いかもしれませんね。
地域限定(各自治体)の支援制度
創業助成金【東京都 】(参考:2019年の創業助成金公募ページ)
都内で創業5年未満の経営者、これから創業する方が対象となる本補助金。
ホームページの制作費用も、補助経費の対象となり得ますが、こちらは注意が必要です。
具体的には、通販サイトやWebシステム開発費、広告収入を主とする事業の場合、対象とならない可能性があります(広告費ではなく製造原価と解釈される等の理由で)。
こちらの利用を検討する場合は、対象となり得るかどうか事前に相談の上で申請することが望ましいでしょう。
市区町村のホームページ制作補助
東京都23区では、全ての区ではありませんが一部の区でホームページ制作に対する補助が出ます。
日本全国全ての市区町村を確認した訳ではありませんので、この記事を読んだ方は、ご自身で事業を行う自治体のホームページを確認してみると良いでしょう。
ホームページ制作は、創業・起業初期の大きな出費の一つとなるでしょう。
ですが、運用期間が長ければ長いほど効果を発揮する資産でもあります。
計画的な投資を行いつつ、負担を軽くしながらなるべく早期に取り組むことをお勧めします。