小規模事業者持続化補助金 申請のコツとは?(その1 自社申請のメリット編)
こんにちは、中小企業診断士の高仲です。
経営コンサルタントとして活動していると、やはり相談が多いのはお金まわりですね。
特に補助金は、相談者にもお金が入るということで、よく相談を受けます。
基本的に私(弊社)のスタンスとしては、
- 顧問契約先なら最適な提案をしやすいので、喜んで推進
- 知人やその紹介の場合は、都度、補助金支援を多少割り引いて実施
- 初めてのお付き合いとなる方は、基本的には自分で申請することを推奨
というスタンスで実施しています。
補助金の申請書を自社で実施するメリット
って、実は結構あります。
なので、中小企業診断士の立場としても、まずはご自身で申請書を作成してもらいたいなーと思っています。
なので、まずはメリットを列挙してみます。
事業計画を作成するきっかけになる
一番のメリットはこれでしょう。
補助金の申請書のフォーマットは、各補助金によってバラバラですが、記載すべき内容は一貫しています。それは、
- 理念やビジョン、想い、やりたいこと
- 現状分析(SWOT)
- 既存事業および新規事業のSTP、競合分析
- 投資計画、収支計画
なので、5年分程度の事業計画書の作成とほぼ同等と考えて良いでしょう。
補助金を貰って新しい取り組みを行い、事業を拡大させていくことが要求されるので、事業計画だと言えば当然なのですが…。
つまり、この程度の内容であれば、経営者の頭の中に入っていてほしいものであるともいえます。
補助金申請業者への依頼は、そこそこトラブルが多い
という問題もあります。
もちろん、しっかり対応してくれる業者もあるでしょう。
一方で、トラブルに遭った経営者の話もよく耳にします。
主なトラブル事例を挙げておきます。
もし外注される場合は、このあたりの契約をしっかり確認しておくと良いでしょう。
不採択時の金銭的トラブル
私が耳にした事例は、『完全成功報酬型(着手金はあるけど、不採択時に返金)』という契約でした。
ただ、実際に不採択になってしまった時に、素直に返金せず「次回の補助金募集時に申請しましょう!」ということを伝えてきたらしいです。
実際、一度作成した申請書は、ある程度は次回の募集時に使いまわせるのは間違いないでしょう。
ですが、それを理由に当初の契約と異なる対応をされてしまうのは困りますね。
報告時のトラブル
補助金は、採択されて終わりではありません。
むしろ、採択された後の方がめんどくさいケースもあります。
それは、事業実施報告の対応になります。
原則として、補助金は事業完了後に報告(モノによっては数年間も)しなければいけません。
報告の内容は補助金次第ですが、受発注関係の証書やレシートを整理したり、報告書を作成したり、と、そこそこめんどくさいです。
ここで発生しがちなトラブルは、報告のフォローは全くして貰えないという業者が一定数いることです。
報告時のフォロー内容についても、契約時にしっかり確認しておきましょう。
補助金申請を自社のノウハウとできる
補助金申請書の作成業務は、ある程度定型的な部分があるので、一度実施してしまえばそのノウハウは他の補助金でも活用できます。
申請ノウハウを内製化しておけば、補助金だけでなく融資の獲得や事業計画作成自体にも活かすことができるでしょう。
ただし、注意点もあるよ
自社で補助金の申請書の作成をやろうとする場合、注意点もあります。
それは、申請書の審査にもルールがあることです。
これがどういうことを意味するか。
審査ポイントを意識した申請書になっていない場合、審査結果が伸び悩むことになる訳です。
なので、初めて申請する補助金の場合には、やはり専門家のアドバイスは受けながら進めるのが良いでしょう。
専門家のアドバイスは、各行政や外郭団体、商工会議所などで無料経営相談を実施しています。
そちらに相談してみるのもお勧めです。
(もちろん、有料で私が相談を受けているケースもあります)