【2019年度 更新】23区の特定創業支援事業の認定の取得手段を比較してみた
昨今、ベンチャーファンドからの出資ニュースや資金調達ニュースがIT業界を中心に盛り上がりを見せています。ですが、地域に根差した小さい起業も、起業・創業をする方にとっては人生を賭けた一大勝負です。
ただ闇雲に会社を辞めて起業したい・脱サラしたいと考えていませんか?
会社を辞める前に、しっかり計画的に準備を進めましょう。
本記事では、次のことを紹介します。
- 地域に根差した小さい起業・スモールビジネスで創業する際に受講すべきセミナーについて知ることができる
- 創業セミナーに受講する等の認定を得ることのメリットが分かる
- 東京都23区での認定の取得の仕方を紹介する
事前に知ってほしい、起業・創業希望者や創業して間もない(一般に5年未満)が対象となる支援制度
最近、創業関係の補助金・助成金の相談を受けることが増えています。
資金調達の派手なニュースも多く、政府の後押しもあり、起業のブームが来ていると言えるでしょう。
一方で、勢いで起業・創業を考える人も一定数います。
ひと昔前のように脱サラブームではなく、副業やフリーランスブームのため、少し状況は異なりますが、やはりサラリーマンを辞めたい方は多いようです。
創業・起業志望の方向けの支援制度は、今はとても充実しています。
知っているか知らないかで、大きく違いを生じるでしょう。
そんな、事前に知っておいてほしい支援制度を紹介します。
特定創業支援事業の対象となる創業セミナー
本記事でも取り上げている創業セミナーです。
特定創業支援事業の創業セミナーについては、こちらで詳しくまとめています。
一般のよく分からない人物が主催する起業セミナーと異なる点は、
- 自治体や信金、商工会議所などの支援母体が主催または共催である
- 全ての日程を受講することで、様々な国・自治体の支援制度をうけられる
- 講師は中小企業診断士や他の士業、セミナーOBの起業家など
- 自治体の補助があるため、価格は安い(ゼロ~数万円)
- カリキュラムの大枠は国が定めている(具体的な内容は個性がある)
などがあります。
どこの馬の骨とも分からない自己啓発起業セミナーにウン十万と投資するよりも、圧倒的にコスパは良いでしょう。
創業者、創業して間もない方も対象となる補助金・助成金
国単位や、各都道府県単位、市区町村単位で、それぞれの予算に応じた補助金や助成金が出ています。ただ、国の創業補助金は削減傾向であり、各自治体の予算は都道府県・市区町村によって大きな差があります。
ご自身が開業するエリア・法人の本社とする自治体によって、支援制度の有無も差が生じてきますので、事前に確認しておくといいでしょう。
創業融資
創業融資は、定番の日本政策金融公庫の他、信用保証協会付けでの金融機関からの借り入れも選択肢になります。
特に、都内23区では、区が借入の利子を最大全額補助してくれる制度(利子補給)がある区もあります。
公庫からの借入を優先する専門家も多いですが、他の選択肢も確認した上で交渉すると良いでしょう。
特定創業支援事業の認定を取る方法は?23区の各手段まとめ
特定創業支援事業の認定とは?
自治体が作成する創業支援事業計画を国が認定し、認定を得た創業支援事業の活動のうち専門家相談や創業セミナー等を「特定創業支援事業」とします。
特定創業支援事業となる創業支援事業は、継続的な支援であり、経営・財務・人材育成・販路開拓の全てが身につく事業であることが要件です。
これにより、認定された創業セミナーは必ず上記4つの観点を含めた講座を行う必要があります。
従って、特定創業支援事業として認定されている創業セミナー等は、経営者としての一通りの基礎を学ぶことができます。
特定創業支援事業の認定を取得するメリットは?
会社設立時の登記にかかるお金が安くなります
会社を設立する際には、登記において登録免許税を支払う必要があります。
税額は資本金に応じて決まっていますが、その金額を半減することができます。
株式会社 | 合同会社 | |
計算方法 | 資本金の0.7% | 資本金の0.7% |
最低額(減免前) | 15万 (資本金2,143万未満) | 6万 (資本金857万以下) |
つまり? | だいたい負担額は7.5万 | だいたい負担額は3万 |
設立時の資本金を株式会社であれば2,143万未満にしておけば、登録免許税は最低額の15万となり、減免後は7.5万にできます。
資本金を最初から1,000万円超にしてしまうと、消費税の課税対象事業者になってしまいます。インボイス開始後はともかく、現時点では資本金を1,000万以下に抑えることが一般的ですので、ほぼ確実に7.5万円の減免となるでしょう。
創業融資の申請条件を満たし、気持ち融資が通りやすくなったりするかもしれません
融資が通りやすくなると断言するのは難しいので、曖昧な文章ですみません。
大抵の場合、創業セミナーにおいては役所や金融機関、信用保証協会の職員などと繋がりができるように運営されています。
その中で、しっかりと経営について学び、認定を得た創業計画書であれば、当然何も準備していないその他の計画書よりも心理的に融資決定までのハードルは下がるでしょう。
また、自治体が利子補給を行う区の融資制度など、創業セミナーの受講が条件となっているものもあります。
当然、これらの融資商品については受講していないと申請の土台にもあがりません。
また、無担保・無保証の創業関連保証枠が1,000万から1,500万に拡充されるとともに、事業開始6か月前から創業関連保証をうけられます(通常は2か月前)。
一部の補助金・助成金の申請要件になったり、優遇措置の条件となる
具体的には、以下の補助金・助成金などが特定創業支援事業と関りがあります。
- 小規模事業者持続化補助金(上限引き上げ:2019年)
- 事業承継補助金(後継者の要件)
- 東京都の創業助成金(申請の要件)
東京都で特定創業支援事業の認定の取得方法は?
東京都23区の場合
23区内(及び千葉)での支援が中心のため、それぞれの区を調べていましたが、区によって特定創業支援事業者の認定を得るための手段に差があり、分かりにくすぎる!と感じてました。
ということで、備忘録として支援事業の有無、リンクの一覧を作成してみました。
創業セミナーは、まだ日程が明らかになっていない区も多く、情報としては不完全ですが一つのまとめにはなるかなと思います。
荒川区は、ホームページの情報から判別できませんでした・・・
創業セミナーや相談窓口を実施しているようですが、特定創業支援事業の対象となるのかは明確に記載されているページが見つからず、問い合わせが必要です。
足立区もセミナー以外の有無が判別できず。機会があれば問い合わせてみようと思ってます。
日本政策金融公庫主催のセミナーは、特定創業支援事業ではないものも含めてセミナー一覧ページにリスト化されています。
こちらを参照するのも良いでしょう。
ちょっと分かりにくすぎるサイトが多いですね。自分で修正したくなるのは元エンジニアの性。
東京都23区での創業・起業家向けの支援制度情報をまとめています
各地区の創業者・起業家向けの支援制度をまとめる記事を作成しています。
徐々に23区を整理していきますので、合わせて確認することをお勧めします。