自動券売機の導入は、飲食/お持ち帰りの両方を行う事業者は要注意! ~軽減税率その6~

2018年12月7日軽減税率FYSコンサルティング,IT,小売業,業務改善,軽減税率対策補助金,飲食業

こんにちは、軽減税率に絡めたIT・システム導入支援のコンサルティングをしている中小企業診断士の高仲です。

引き続き、軽減税率をテーマに書いていきます。
今回の題材は、自動券売機

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自動券売機と軽減税率は相性が悪い

悪いです。なぜか。

自動券売機では、1円玉と5円玉が取り扱えないからです。

1円玉、5円玉が扱えないとどのような問題が生じる?

例えば、店内に飲食スペースがあり、かつ同一商品のお持ち帰りも提供している店舗をイメージしてみましょう。

分かりやすい例は、牛丼チェーン店ですね。
既に食券の券売機を導入しているチェーン店もあります。〇屋さんとか。

例えば、牛丼並盛は300円が定価だとします。
その場合、消費税は、店内では10%、お持ち帰りは8%となります。

つまり、税込みでは、店内では330円、お持ち帰りは324円と値段が変わることになります。

さてここで問題が生じるわけです。
自動券売機では、324円が対応できない。4円を受け取れず、お釣りも返却できません。

では、どのような対策が想定される?

のか?というのを、考えてみましょう。
業界の裏側には詳しくないので、券売機メーカーがどのような対応を進めているかは不明ですが、おおよそ下記の対応となるでしょう。

店内とお持ち帰りで、総額を同じ値段にする

上記の例では、店内は300円、お持ち帰りは306円とすることで、総額はいずれも330円になり、自動券売機でも対応できます。

なお、店内とお持ち帰りで商品の価格が異なることは、軽減税率の改正と関わらず問題自体はありません。
ですが、「他の店だとお持ち帰りは安いのに、何でここは高いの」というクレーマーが出てきそうですね…モンスタークレーマー怖し。

電子マネーや電子決済のみ対応の自動券売機が登場する

電子決済は、事業者に対しても導入に補助金が出ることはかなりの可能性で高いでしょう。
その補助金を後押しすることで、現金非対応の券売機が出てきてもおかしくはない…かも?

お釣りのみ、1円玉と5円玉対応の券売機が登場

技術的に難しいのは、投入された小銭の判別と処理です。
従って、釣銭自体は決まったストックから枚数だけ判定できればいいのでそこまで難しくは無いでしょう。

でも、使いたいか、というと…お持ち帰りで買ったら、もれなくお財布も(小銭で)分厚くなって、幸せな気分になれる券売機です。

軽減税率商品を扱う中小事業者は、券売機のご利用は計画的に。

余り、中小企業で、かつ店内イートインとテイクアウトを実施している業態の飲食店は多くないかもしれません。

あり得るとしたら、フランチャイズ契約のオーナーか、もしくは、お弁当屋さん等で店内イートインスペースを設けているか、ぐらいでしょうか。

券売機自体、めん系、どんぶり系の飲食店以外では余り見かけないですしね。

もし検討中の経営者の方がいたら、ということで。