増税と軽減税率の準備に、食品小売業や飲食業は特に値上げをしっかり検討
軽減税率セミナーは、2019年7月で一通りの登壇を完了しました。
後半になるにつれて、参加者も増加の傾向にありました。参議院選挙も終わり、消費税10%も目前に迫ってきたところで、やっと経営者の危機感が増してきた、というところでしょうか。
そのセミナー中にも取り上げている、値上げ(価格改定)についての疑問に本記事では触れていきたいと思います。
- 価格改定に関する準備・検討事項を確認することができる
- 値上げの実施の際のポイントが確認できる
食品小売業や飲食業は価格の見直しを特に入念に!
なぜ、消費税の増税とともに値上げが必須?
ここでは、消費税についての解説に留めます。
もちろん実際に検討する時は、物価の値上がりも多くの食材や原料で起こっていますので、それも加味しましょう。
なぜ、食品小売業や飲食業にフォーカスを当てている?
食品小売業や飲食業は、特に8%となる軽減税率対象の商品を多く販売しています。当たり前ですが。
なおかつ、利益率も一般的に高くない業種です。
価格設定のミスは即命取りとなるリスクがあります。
しっかり準備し、増税後の世界を見据えて価格を検討しましょう。
軽減税率を意識した値上げの検討方法について
値上げを実施する際の検討事項はこちら
レシピの確認と原価管理
パン屋さんやケーキ屋さんなどの製造小売業では、レシピをエクセル等の仕組みで管理していないと製造原価の算出ができません。
ですが、個人経営のお店の規模では、大抵店長やシェフの頭の中にしかレシピは無いですね…
原価管理は厳密にやると非常に大変ですが、簡易的な管理は個人経営店でも実施すべきです。
私がいつもお勧めするレシピ管理・原価管理の方法については、いずれ別の記事を書きたいと思います。
(システムだけ紹介・・・kintoneか、レシピ管理システム)
原材料の値上がりと税額を考慮する
当然のごとく、原材料も値上がりしてきます。
物価も上昇傾向にあるので、多くの事業者は増税を機に物価上昇分も加味して値段設定をするでしょう。
また、もう一つ注意すべきポイントは、軽減税率対象の商品は消費税額が変わらないから、と、値段を変えないでいると、利益が圧迫されるリスクがある点です。
売上が変わらず、利益が減少するということになりますので、適正価格への見直しをしっかりと実施しましょう。
8%と10%で価格を分けるか同じにするか、お店の運用と税込み価格の決定
いわゆる一物一価 or 二価のどちらにするか、ということです。
イートイン価格とテイクアウト価格を税込みで同じ価格に設定することで、増税後も一物一価を維持することができます。
大手企業もこちらの対応は二分化しています。
いくつか対応が公開されている企業をピックアップして紹介しますので、あなたのお店で判断する際に参考にしてください。
一物二価にする?価格設定に関する大手企業の動向の紹介
大手ファストフード店など、テイクアウトとイートインを両方提供するフードチェーン店は世の中に多数存在します。
それらの企業が、価格設定についてどういった戦略を採っていくか、纏めていきます。
特に、一物一価にする(店内とお持ち帰りを同じ価格)場合、店内価格を値下げするかお持ち帰り価格を値上げするか、各社の対応が分かれる部分でもあります。
各社の事例はこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみてください。